プロゴルファーの目とフィッターの目

よくスイングチェックさせて頂くトップアマの方から連絡がありました。

レッスン内容は、パッティング!!!

なぜ!!!としたのかというと、
この方パッティングやショートゲームが上手で、
自分の型を既に持っているのでレッスン必要ないレベルです。

話を聞いてみると、数本のパターを試しているが、
どこを向いているかわからなくなってしまったとこのこです。

「どこ向いているかわからない」と自己認識しているのは「さすが!」で、
普通の方はこの部分に気が付かない方が非常に多いです。

早速、パター別に狙いを確認してみると、
エースパター以外は全てずれています。

このズレを確認する作業というのを、

私はキャリブレーション(調整)と呼び、
一番初めに行います。

なぜか?

狙った所に構えられていなければ、
それ以降のプロセスは全て無駄(ちょっと言いすぎかも汗)

エラーをエラーで塗り固める、
所謂「負のサークル」に陥ることも珍しくありません。

人に見てもらえば「ズレ」はわかりますが、
自分でその「ズレ」を自己修正できなければ実践では使えません。

この部分が、「私の専門分野」で、
自分でキャリブレーション出来る方法があります。

ただココで1つ疑問が残ります・・

エースパターでは、まっすぐ狙えているのに、
他のパターでは上手くかない・・・

そこでパターを見せていただきき、
構えてみるとすぐにわかりました。

この分野は「フィッティング」の分野なので、
普通のレッスンプロではわからないかもしれません。

なぜ自分にはわかり、プロはわからないか?というと、
以下のバックグラウンドが有るからです。

  • 日本にいた時、某クラブメーカーの職人さんに色々教えて頂いていたのをきっかけに、そのメーカーのクラブの金型を作る工程に携わり、クラブの聖地、姫路でクラブ削りの職人さんに、デザインなどで意見を出していた。
  • シンガポール時代は、元マルマンの技術者の方が立ち上げたクラブフィッティングショップ所属だった時代もあり、そこで色々勉強させてもらいながら、企画販売までをしていた。この技術者オーナーが天才的で、数字にものすごく強く、デザイナーというよりは研究者のような人で、私のクラブに対する我儘を、独自の演算でクラブ強度や素材の強さを割り出しライ角を調整できるFWを作ったり、法線のずれ角、オリジナルのバランスの計り方等数々のアイデアを生み出してきたのを目の当たりにしてきて、この方の影響は少なからず今の自分にもあります。
  • プロフィールにも書いてありますが、クールクラブスで、アメリカのフィッティング技術研修を受けていた。

当然自分のクラブは全部自分で組みますし、
趣味でパーシモンの改造なんて事もやってのけます。



ヒロホンマ パーシモンウッド改造

このことを知っている方からは、「フィッティングショップを開いたら絶対行きたい」、
ぜひ開いてくれなんてことを打診されたこともあります。

手先が少し器用ならクラブの組み立てなんかは誰でも出来ますが、
フィッティングも「プレーヤーのストーリ」に行き着き、
そこを意識して組み立てないとただの「既製品」となるのは言うまでもないでしょう。

話がそれたので戻しますが、

今回の件はシャフトの刺さり方が、
試しているパターはバラバラだったということが構えてすぐわかりました。

そしてエースパターだけは綺麗に面一になっていたということです。

パターには、大なり小なり「狙いを定めるライン」がついていますが、
人間は無意識のうちに他の部分も見ています。

ラインやクラブ形状、つながりや整合性がないと
「違和感」となり、うまく狙えなくなります。

コレは上級者になればなるほど目につきますので厄介です。

ピンパターなんかは顕著で、私はネックの刺さり方や向きがずれていたら
万力で挟んでネックごとまっすぐに曲げてしまうこともあります。
(残念ながら既製品ではココまで考慮してないのでバラバラなことが多い)



以前アプローチ感覚でパターも打てないか検証するために、
PWと同じスペックのパターを作ったときの記事

T.P.Mills リフィニッシュ オイルカンフィニッシュ

その当時はパターに悩んでいて必死でした

今は「パターを専門的に教えている」なんて言ってますが、
過去にもがいていた「点」が今となって線となり繋がっているているのがわかります。

日本の職人さんが削るクラブはきっちり面が出ていますので、
非常に構えやすいとか、美しいと感じるのはその辺りにあるのかもしれませんね・・・

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